無期雇用派遣のメリットとデメリットを実体験から解説

無期雇用派遣のメリット・デメリット| 30代女のキャリア

こんにちは、sakuです。

私は新卒の時から無期雇用派遣で働き、今は派遣を卒業して正社員として情報システム担当者(情シス)の仕事をしています。

つまり、無期雇用派遣を2社経験しています。

この経験を通して「無期雇用派遣って実際どうなの?」という疑問に答えるべく、メリットとデメリットを自分の体験を交えて整理してみました。

無期雇用派遣が気になる方の参考になればと思います。

実体験:私が経験した無期雇用派遣

私は無期雇用派遣を2社経験しました。

1社目(新卒):入社後4年半は某通信会社に派遣 → その後内勤業務へ転換
2社目(中途)入社後、某インフラ系会社に派遣

1社目は厳密には完全に無期雇用派遣として採用されたわけではありませんが、実質的には無期雇用派遣と同じ働き方でした。

ちなみに募集は「総合職」という名目でした。

無期雇用派遣とは?正社員との違い

派遣には「有期雇用」と「無期雇用」があります。

有期雇用派遣:契約期間が決まっていて、更新されなければ終了
無期雇用派遣:派遣会社と無期限の雇用契約を結び、配属先で働く

雇用期間だけ見ると正社員と似ていますが、待遇やキャリアパスは大きく異なります。

ネットで調べると「デメリットばかり」といった意見が多いですが、私自身は「絶対悪」ではないと感じています。

 無期雇用派遣のメリットとデメリット

無期雇用派遣を検討している方からすると、メリットとデメリットは気になりますよね。

実際に経験したからこそ感じた、メリットとデメリットをまとめました。

メリット①:雇用が安定している

  • 有期派遣と違い、契約終了のリスクが少ない
  • 派遣会社に所属している限り雇用は継続

状況によっては配属先が決まらず「自宅待機」になる期間もあります。
それでも最低限の給料が支払われるため、無収入になるリスクは低めです。

私の経験ですが、待機中も満額支給でした。しかし、他社では6割支給のケースもあるので注意が必要です。

さらに会社によってはボーナスも支給されます。私は年間で基本給の2.5か月分(50万円以上)を受け取っていました。

メリット②:未経験からでも挑戦しやすい

研修制度が用意されている会社も多く、未経験からでもスタートできます。

私は「ITスキルゼロ、資格はITパスポートのみ」で入社しました。

入社後は1か月間の集合研修があり、ネットワークの講義やシミュレーションを使った演習など、かなり濃い研修内容でした。

メリット③:いろんな職場を経験できる

配属先は選べない反面、自分では選ばなかった業界や職種を経験できるチャンスでもあります。

私はこの経験を通じて情シスの仕事に出会い、キャリアアップにつながりました。

デメリット①:配属先を選べない

  • 一般派遣(有期)のように案件を自由に選べない
  • 希望と違う勤務地や仕事内容になることもある

要するに 「配属ガチャ」 状態です。
当たり外れが大きく、環境次第で大きく変わります。

デメリット②:昇給幅が小さい

給与は派遣会社のテーブルに依存するため、年収を大きく伸ばすのは難しいです。

私の場合、派遣時代は年収350万円前後にとどまっていました。

デメリット③:福利厚生は派遣会社次第

正社員登用企業に比べると福利厚生は薄めです。

  • 親会社(大手メーカーなど):社宅・家族手当・退職金・持株会など手厚い
  • 派遣元の正社員:上記の簡易版(会社規模による)
  • 無期雇用派遣:法定福利厚生+最低限の付加(例:ベネフィット・ステーション)

派遣先の福利厚生が手厚くても、自分には適用されないのが現実です。

デメリット④:キャリアパスが不透明

  • 「いつまで派遣先で働けるのか」が見えにくい
  • 正社員転籍の可能性も不透明

派遣会社は人材が“商品”なので、派遣先への転籍を積極的に後押ししないケースもあります。

1社目の派遣会社で働いていた時、私も派遣先から直接雇用(契約社員)の話をいただきましたが、派遣元からは一切触れられませんでした。

実体験:350万円時代から正社員転籍へ

私は29歳でIT系の派遣会社に入社し、無期雇用派遣として働きました。

【当時の状況】

  • 月給:23〜24万円
  • 年収:約350万円
  • ボーナス:基本給の2.5か月分程度
  • 残業:ほとんどなし

情シス(社内SE)業務を担当するようになり、約2年半で派遣先に正社員転籍。

年収は500万円台にアップし、住宅手当や独自の保険組合など、福利厚生も改善されました。

待遇も安定感も大きく変わり、「派遣の頃とは安心感が全然違う」と実感しました。

 年収推移まとめ(実績)

年収推移を表にしてまとめてみました。参考にしてもらえればと思います。

会社・雇用形態 勤続年数 年収(概算) 備考
1社目(新卒・無期雇用派遣) 1年目 約260万円 残業ほぼなし、ボーナス少額
6年目 約350万円 残業20時間+役職手当込み
2社目(中途・無期雇用派遣) 1年目 約300万円 インフラ系企業に派遣
3年目 約350万円 残業・役職なし
派遣先へ正社員転籍(情シス) 2年半後 500万円台 住宅手当あり、福利厚生改善

1社目と2社目の退職時の年収は同じ350万円ですが、2社目は残業と役職がなかったので、意味合いは大きく変わりますね。

どんな人に向いている?向いていない?

無期雇用派遣は、正直に言ってしまうと誰にでもおすすめできる働き方ではありません。

ここでは、私の体験をもとに「向いている人」と「向いていない人」を整理しました。

向いている人①:未経験から新しい職種にチャレンジしたい

未経験で新しい職種に挑戦したい方にとって、無期雇用派遣は一つの選択肢になります。

20代前半であれば派遣以外でも採用されやすいですが、年齢を重ねるにつれて未経験採用は難しくなります。

実際に私は29歳で転職活動をしましたが、書類で落とされることが多く苦戦しました。

無期雇用派遣なら未経験者向けの研修制度を整えている会社が多いため、キャリアチェンジのきっかけになりやすいです。

研修が充実している会社を選ぶことで、成功の可能性はさらに高まります。

向いている人②:正社員になる前にいろんな現場を経験したい

一度正社員になると、簡単に転職活動を繰り返すのは難しくなります。

無期雇用派遣なら、同じ会社に所属しながら複数の配属先で勤務する可能性があるため、幅広い経験ができるのが強みです。

私も新卒で入社した派遣会社で、携帯販売・イベントディレクター・営業代行・営業事務・スタッフフォローと、実に幅広い業務を経験しました。

結果として自分の得意分野や好きな仕事を見つけるきっかけになりました。

向いている人③:とりあえず安定した雇用が欲しい

無期雇用派遣は「派遣」という名前がついていますが、あくまで派遣会社の正社員という扱いです。

配属先では有期派遣社員のように契約期間が区切られますが、雇用主である派遣会社とは無期契約を結んでいるので、雇用自体が途切れることはありません。

「契約が切れたら無職になってしまう」という不安がないのは、無期雇用派遣の大きなメリットだと思います。

向いていない人①:自分で配属先や仕事内容を選びたい

無期雇用派遣は本当に「配属ガチャ」という言葉がピッタリです。

希望通りの配属先になるとは限らず、時にはまったく興味のない業務にアサインされることもあります。

「自分でやりたい仕事を選びたい」という方には向いていません。

仕事内容を選びたいのであれば、一般派遣(有期)か、別の雇用形態を選ぶべきです。

向いていない人②:早いスピードで年収を上げたい

無期雇用派遣の年収は、どうしても大きくは伸びません。

私のケースでは、
1社目:1年目260万円 → 6年目350万円(残業20時間+役職手当込み)
2社目:1年目300万円 → 3年目350万円(残業なし・役職なし)

数字だけ見ると昇給率は悪くないように見えますが、年収水準としては物足りませんでした。

短期間で大きく稼ぎたい人には向いていない働き方だと思います。

向いていない人③:福利厚生や待遇を重視する

無期雇用派遣の福利厚生は「最低限の社会保障+α」にとどまるケースが多いです。

たとえば、

  • 親会社(大手メーカーなど):社宅・家族手当・退職金・持株会など手厚い
  • 派遣元の正社員:上記の簡易版(会社規模による)
  • 無期雇用派遣:法定福利厚生+最低限の付加(例:ベネフィット・ステーション)

生活を支えるレベルの厚遇を求める方にとっては、正直物足りないでしょう。

まとめ:無期雇用派遣は「キャリアチェンジの踏み台」になる

無期雇用派遣には、メリットとデメリットがはっきりあります。

私の場合、無期雇用派遣をきっかけに情シスという仕事に出会い、正社員転籍で年収350万円から500万円台へアップしました。

「派遣出身でもキャリアアップできる!」というのが私自身の実感です。

これから無期雇用派遣を検討している方は、「キャリアチェンジの踏み台」として使うのか、長期的に働く選択肢とするのかを明確にして選ぶと良いかと思います。

無期雇用派遣を検討している方の参考になれば幸いです。

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